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熊本店

熊本店ブログ

災害時のめがねについて考える

2025-03-10
ブログ
今年は阪神淡路大震災から30年の節目でしたが、明日3月11日は東日本大震災から14年、来月には熊本地震から9年目を迎えます。昨年のお正月には震度7の大地震が能登半島で発生し、一年以上経った現在も復興からは程遠い状況にあります。先月には岩手の大船渡で大規模な山火事が発生し、一昨年はマウイ島で今年の1月にはロサンゼルスで信じられない規模の大火災もありました。また近年は温暖化の影響によるものなのか、毎年のように台風や豪雨による災害がどこかで発生しています。そこで今回のブログは熊本地震の被災者でもあり、近々防災士講習を受ける予定の当ブログ担当者Kの体験から災害時のメガネについて考えたいと思います。
内閣府のホームページによると、熊本地震は2016年(平成28年)4月14日21時26分マグニチュード6.5、明けて16日1時25分にマグニチュード7.3の2度の地震が発生しました。
最初の地震の際、入浴中だった私は大急ぎで身体も拭かずに衣服を身につけ揺れが収まったタイミングを見計らい、指定避難所である公立体育館に家族と向かいました。ゾロゾロと集まってくる地域住民に対して職員さんが「照明器具が落下して危険なため避難できません」と大声で叫んでいたので止む無く自宅に引き返しました。災害時の指定避難先とされていた施設が被災で使用出来ないという事は完全に想定外でした。やむなくその夜は駐車場で車中泊をしました。2度目の地震は前日の車中泊による身体の疲労から自宅に戻って就寝している時に発生したのですが、真夜中の激しい揺れと携帯から鳴り響く警報に血相を変えて別の避難所である少し離れた近所の小学校に駆け込みました。幸い我が家では家族に怪我人もなく家屋の一部損壊で済みましたが、熊本県益城町を中心に大きな被害が出たことは広く知られる通りです。
最初の地震後の我が家のキッチン
お店は地震の後も出勤可能なスタッフで営業しておりましたので、震災後しばらくの間は尋常じゃない数のメガネを修理したのを今でもよく憶えています。当時破損の理由で多かったのが「倒れてきた家具の下敷きになった「避難所で踏んだ(踏まれた)」でした。就寝時には外したメガネをそのまま枕元に置いてお休みになる方も少なくないと思いますが、寝るときはハードケースに収納するだけで万が一の際のメガネの破損はかなり軽減できると思います。避難所など普段と勝手の違う環境ではなおの事です。
近視や乱視などで視力が弱い方だとメガネがなければ避難もままなりません。また災害時の情報インフラはスマホが頼りなので老眼で手元が見えなければ正しい情報へのアクセスが困難になります。備えの第一歩として普段からメガネを外したらハードケースに収納する習慣をつけてみられてはいかがでしょうか。
担当者Kの当時のSNSより。地震で被害に遭った眼鏡の修理記録
また非常用持ち出し袋にスペアメガネを装備しておく事もとても大事です。スペアのメガネもメインで使用中のものと同じ度数が望ましいですが、昔のメガネをメンテナンスして入れておくだけでも安心感がぐっと上がります。また使い捨てコンタクトを準備している方もいらっしゃると思いますが、ケアの必要がないワンデータイプだったとしても災害時は手が洗えるとは限りません。不衛生な手指で装着して起こる感染症のリスクを考えるとやはり災害時はメガネの方がベターだと思います。
担当者Kも大ファンのAmazonプライムのドラマ「ザ・ボーイズ」のクリエーターで、LAの大火災で自宅を焼失されたエリック・クリプキ氏のインスタグラムの投稿がとても印象に残りましたので一部を引用させていただきます。

「今、僕が考えているのは、避難時に家の中でパスポートや出生証明書のような必需品を探し回ったことです。全てが焼失した後、僕は気づきました。感情的価値のあるものを持ってきていなかったことを。父の写真、子供たちが小学校で作った段ボールのロボット、18歳の時からつけてきた日記、子供時代からあるショーグン・ウォーリアーズのゴジラのフィギュアやオムニボット、トワイライト・ゾーン誌やシネファンタスティーク誌のお気に入りの号。これらは代替不可能な、かけがえのないものです。僕から皆さんに伝えたいアドバイスは、現金価値ではなく、感情的な価値を持つ物のリストを作ること。そして、できる限り多くの物を持って避難してください。人やペットの次に大事なのは、そういった物です。皆さん、どうか安全に過ごしてください。」 
スタッフの飼い猫ハナちゃんも地震後はお店に避難