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熊本店

熊本店ブログ

めがねうさぎをご存知ですか

2025-04-28
ブログ
めがねうさぎと言ってもメガネザルのような哺乳類の固有種の名称ではございません。せなけいこさんという作家が描かれた絵本のタイトルです。めがねうさぎは初版から40年を経過した今でも広く読まれている絵本らしく、表題作の「めがねうさぎ」はじめ「めがねうさぎのうみぼうずがでる‼︎」「めがねうさぎのクリスマスったらクリスマス」などシリーズ化もされています。
子ども本の森
当ブログ担当者Kの自宅近くにあの世界的な建築家、安藤忠雄氏が設計し熊本県に寄贈した絵本を中心に子ども向けの書籍ばかりを集めた『子ども本の森』という子ども図書館があります。隣接する県立図書館を訪れた際に何の気なくフラっと立ち寄ったその施設で偶然見つけたのがこの「めがねうさぎ」です。可愛い表紙に惹かれて手に取ったのですが、パラパラと頁をめくるとそこに描かれているメガネ描写に「おや?」となりました。 


絵本に限らずフィクションに登場するメガネは、秀才だとかヒステリックだとかのキャラクターの性格づけを表すアイコニックな記号であるか、ガジェットとして小道具的な役割を持つかのどちらかがほとんどです。ところがこの「めがねうさぎ」はそのどちらでもなく、目が悪くなったのでメガネを作る、うっかりメガネをなくしてしまう等、キャラクターがメガネを掛ける必然性とメガネを取り巻く様々な出来事が活き活きと描写されていて、メガネを掛けるという事をとても誠実に描いている作品だと感じました。
メガネを掛けてないときはよく見えないからオバケが怖くないとか、サンタさんからもらうプレゼントが大量のメガネだとか、外したメガネをうっかり天ぷらにしてしまうとか、めがねうさぎのメガネにまつわる色々なエピソードが面白くてシリーズを一気読みしてしまいました。
作者せなけいこさんのインタビューを読むと「めがねうさぎ」は小学生の息子さんが初めてメガネを掛けるようになったときに、クラスでメガネを掛けている子が少ないから気分が落ち込まないようにメガネは楽しいんだよというお話しを作ろうと思ったのがきっかけとありました。

なるほど、作者さんのメガネへの肯定感が誠実な印象につながっていたのだと思いました。

本編の一節より
めがわるくなってきて、めがねをかったうさこ。
ともだちに「めがねうさぎ」「めがねうさぎ」と呼ばれると、
ちょっぴりはずかしいような、ちょっぴりとくいなような
 
視力検査中のうさこ(視力表にも注目)