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熊本店

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色が変わるめがね

2025-06-18
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調光レンズなる名称をお聞きになられた事はございますでしょうか?お客様によっては偏光レンズと混同してしいらっしゃる方も少なからずおられますので改めてここで整理しておきます。

調光レンズ=主に紫外線に反応してレンズの色(濃度)が変化する
偏光レンズ=水面や路面など下方向からの光の反射をカットする

簡単に申しますと調光レンズは普通のメガネからサングラスにトランスフォームするレンズ、偏光レンズは見た目は普通のサングラスだが下方向からの反射をカットする機能がついているレンズといったところでしょうか。
今年も猛暑が予想され外出の際はサングラスが必需品となりそうですが、調光レンズにも偏光レンズにもそれぞれメリット、デメリットがございます。

調光レンズのメリット
 1本でメガネとサングラスを兼用できる
調光レンズのデメリット
 車の運転時には期待ほど色が濃くならない*注1

偏光レンズのメリット
 水面などの反射光をカットするので見やすい
偏光レンズのデメリット
 スマホなど液晶画面が見づらい場合がある*注2

*注1:紫外線だけでなく可視光線でも色の濃度が変化する可視光調光というレンズもありますが、車内は原則的にルーフで影になるため直射日光がドライバーの顔面を照らすような状況でないと色が濃くならない場合が多いです。
*注2:液晶画面にも偏光フィルターが入っているためレンズの偏光膜に干渉し、歪んだり暗くなったりする場合がある。有機ELなど最近の液晶では改善されてきているがレンズとの相性もあるそうです。

なので偏光レンズは魚釣りやスポーツなどに特化した度入りのサングラスとしての用途、調光レンズは普段のメガネにサングラスの機能を付加するものとしてお考え頂ければ分かりやすいかと思います。
当さばえめがね館でも近年調光レンズの需要が非常に高くなっており、今後も多くのお客様に調光レンズをご案内する機会があるかと思います。その中で今回はHOYA社の調光レンズ「サンテックミスティ」とNIKONエシロール社の調光レンズ「トランジションズGEN S」をご紹介します。
まずはサンテックミスティ、このレンズの最大の特徴は色が濃くなり過ぎない調光レンズという事です。
眩しさは抑えたいけれど瞳が見えないほど濃いレンズはちょっと抵抗があるというお客様は女性を中心に案外多いものです。そんな方も最高濃度40~45%(外気温により変化)のミスティなら抵抗なく掛けて頂けると思います。カラーの種類もパープル、ロゼ、ブルー、アッシュグレーと優しい色合いのものが揃っております。
続いてトランジションズGEN Sです。こちらの商品の特徴は色の変化スピードが速いという点にあります。特に従来品に比べると退色(色が抜ける)スピードが倍近く速くなっております。Z世代をアメリカではGEN Zと表しますが、スピード新世代みたいなニュアンスなんでしょうかね〜
以前調光レンズを作って頂いたお客様から通勤時の朝日の眩しさが改善しましたと喜んで頂いたのですが、会社に到着したあとサングラスのままでは出勤しづらいので少し時間をおいて色が抜けてから社屋に入ると伺ったことがあります。その時は残念ながらGEN Sはまだ発売されていませんでした。
調光レンズは大きく分けて紫外線に反応して色が変わる“紫外線調光レンズ”と紫外線と可視光線で色が変わる“可視光調光レンズ”の2タイプに分かれます。今回ご紹介した「サンテックミスティ」と「GEN S」はどちらも紫外線調光レンズですが、車の運転の際に少しでも色が変わった方が良い方には可視光調光や紫外線調光に偏光機能を加えた偏光調光レンズもございます。但しこれらはカラーバリエーションが少ないのが難点です。

またレンズだけでなく色が変わるフレームというものも昨年発表されました。
当店では取扱のないブランドですが、サングラスで有名なRay-Banの商品でフレーム素材のセルロースアセテートに紫外線に反応する調光染料を加えることで、レンズと同様に紫外線が強くなると色素が反応してフレームの色が濃くなり、屋内では数分で色が薄くなるそうです。
この調光染料の技術は将来的には衣服や車のボディなどにも応用されるかもしれませんね。